STORY
舞台は長崎。
港を見下ろす丘の上に十五才の少女、蝶々さんの家があった。
没落した武家の娘である蝶々さんは、今は芸者として暮らしていた。
そこに、若いアメリカ海軍士官ピンカートンが現れ、蝶々さんに優しく愛を語った。
辛い境遇にいた蝶々さんは、救われる気持ちで彼に惹かれて、二人は結婚式を挙げるのだった。
やがてピンカートンは日本での配属を終えて帰国する。
蝶々さんはピンカートンの帰りを信じて待っていた…彼との間に生まれた男の子と一緒に。
三年の月日が流れた。
ピンカートンの乗る米海軍が再び寄港した。
しかし、一夜中、待ちわびた蝶々さんのもとを翌朝訪ねてきたのは、ひとりの若いアメリカ人女性だった。
蝶々さんは全てを悟った。
ピンカートンが駆けつけたとき、蝶々さんはすでに自害を遂げていた。