STORY
プロローグでは‘人間のはかなさ’、‘時’、‘幸運’、‘愛’の寓意が、それぞれの思いを歌う。
第1幕:ペネロペは夫ウリッセが帰って来ないことを嘆く。侍女のメラントーは未亡人(とされている)ペネロペに言い寄る求婚者達から彼等の愛を受け入れるように説得され、その一人エウリマコと通じている。一方、ウリッセは女神ミネルヴァに助けられて、老人の姿になって自国にたどり着き、息子テレーマコにも再会する。年老いた忠実な羊飼いエウメーテが王ウリッセの身を案じているとそこに老人が現れ、一夜の宿を求める。エウメーテは老人からウリッセの帰郷が近いと知らされ大いに喜ぶ。
第2幕:ペネロペの侍女はしきりに再婚を勧める。ペネロペはそれを受付けないが求婚者達は宮廷に入りびたりペネロペに付きまとう。息子は一足早く母に再会し、ウリッセの帰還も近いと告げるが不確実な噂は彼女の心をかえって憂鬱にする。ペネロペが、求婚者達に「夫が残した弓で一番遠くまで矢を射た者の妻になる」と言うが、3人共にその弓を引く事すらも出来ない。そこへエウメーテに導かれた老人姿のウリッセがその弓を試したいと申し出で、彼はその弓で求婚者達を皆殺しにするが...