STORY
聖杯騎士団の長老グルネマンツが森の湖の近くで二人の従者とともに、奪われた聖槍で刺された傷と病に苦しむ王アムフォルタスの到着を待っていると、荒馬に乗った女クンドリが薬を届けに来る。従者たちはクンドリを異教の魔女だといって遠ざける。そこへ、ここを聖域と知らずに白鳥を矢で射落とした若者が引き立てられてくる。 彼は自分の名さえも知らない。グルネマンツは、神託で告げられた「共に苦しむことで知を得る愚者」がこの若者と思い、城へと連れていく。
悪魔と契約した魔法使いクリングゾルは、美しいクンドリを呪縛してあやつり、若者(=パルジファル)を誘惑の罠に陥れようともくろむ。 クンドリは、パルジファルに向かって両親の悲しい運命について語り、慰めようとして抱いてキスをする。その瞬間パルジファルはアムフォルタスの苦しみの原因と自らの使命を理解し、クンドリの誘惑を拒絶する。クリングゾルが現れて聖槍を投げると、槍はパルジファルの頭上で止まり、彼はそれをつかむ。
聖杯城に帰還したパルジファルは、グルネマンツと再会。新王に就任したパルジファルはクンドリに洗礼を施す。先王ティトゥレルは既に死に、聖杯の儀式もできなくなっていたアムフォルタスの傷は、聖槍によって癒される。罪から解放されたクンドリは静かに息絶える。