STORY
中世スペインの森と城。アムフォルタス王は妖術使いクリングゾルに槍を奪われ脇腹に深い傷を負っている。
そこへ、粗野に育ち自分の名も知らない若者パルジファルが白鳥を殺したかどで聖杯守護の騎士たちに咎められて連れて来られる。
騎士たちの長老グルネマンツは、この無垢な心の若者こそ王の救い主であると思い、聖杯による儀式を見せた。聖杯とは、十字架に磔にされたキリストから流れる血を受けた杯のことである。聖杯守護の騎士たちとは、文字通り、この杯を守護する騎士団。そして、クリングゾルに奪われた槍こそ、かつてキリストの脇腹を刺した聖槍であった。しかし、若者は儀式の意味を理解できない。若者は追われるように王のもとを去る。
パルジファルは、やがてクリングゾルの魔城に紛れ込む。クリングゾルは、この若者を堕落させるため、敬虔な女性クンドリに妖術をかけ誘惑させようとする。魔法にかけられた荒野は花園と化し、乙女たちがあらわれパルジファルを取り囲む。だが、彼に迫るクンドリから接吻を受けると、若者は突然自らの名を知り、王の苦悩を解し、己の使命に目覚める。誘惑は失敗した。クリングゾルはパルジファルに向けて槍を投げつけるが、それは彼の頭上でとまる。若者は聖なる槍をつかみ、傷つき生きる望みを失った王のもとへと進んでいく……