「20世紀オペラの最高峰」などと謳われながらもなかなか上演機会が巡って来ず、東京二期会でも2003年11月以来の上演となるオペラ『ルル』。今回初めて鑑賞されるという方も多いのではないでしょうか。
そうした方にも安心して『ルル』をご鑑賞いただき、より深く味わっていただけるように、東京二期会と日本アルバン・ベルク協会との共催で、スペシャル・シリーズ講演を開講します!
※当イベントは、新型コロナウイルス感染拡大の状況をふまえ、YouTubeでの動画(無観客収録)配信とさせていただきました。
<第1回> 『ルル』って何?「ルル」って誰?
◆第1部 基調講演:長木誠司(日本アルバン・ベルク協会 専務理事)
◆第2部 森谷真理(「ルル役」)×長木誠司 対談篇
<第2回> 特別オンライン・トーク 演出カロリーネ・グルーバーに聞く!
開幕に向け演出カロリーネ・グルーバーとのオンライン対談を収録。聞き手は森岡実穂さん(中央大学文学部教授)です。
・『ルル』二幕版を上演する意義について
・家父長制が生んだ、ルルの悲劇 〜舞台に登場する人形(マネキン)について
・マネキンとダンサーと歌手… 〜舞台上で分裂するルルについて
・映像作家の上田大樹氏について
・『ルル』に登場する男性の描き方について
・ゲシュヴィッツ伯爵令嬢について
<第3回> オンライン・プレ講演
「『ルル』を見る前に――カロリーネ・グルーバーによる演出プランのためのガイド」
すでに発表されているカロリーネ・グルーバーの演出プランを受けて、オンライン・プレ講演を公開 講師は森岡実穂さん(中央大学文学部教授)です。
◆Part 1 グルーバーによる『ルル』演出プランを読むために
・『ルル』作品概要
・グルーバーの問いかけ〜ルルは「ファム・ファタル」か?
・マネキンとダンサーと歌手… 〜舞台上で分裂するルルについて
・オペラが始まる前のルルの人生を台本から確認
・ルルの「運命」の背後にある社会構造〜家父長制
◆Part 2 さまざまな演出での「肖像画」を通してルルの人物像を考える
・作中での肖像画の登場場面
・「肖像画」の分類、登場する場面での主な着目点
I. 肖像画あり
A. 「絵」として表現
B. 別形態(写真・ビデオ・マネキン)で表現
II. 肖像画なし
言葉のみ、輪郭のみ
・カロリーネ・グルーバーの演出プランでは?