STORY
19世紀末、モラヴィアの寒村で製粉所を経営しているブリヤ家。母の連れ子のラツァは冷遇され、財産のみならずイェヌーファまで若き当主となっている異父弟のシュテヴァに奪われてしまう。シュテヴァの子を身ごもっているイェヌーファは彼が兵役免除になったことで結婚できると喜ぶが、彼にとっては都合のいい女の一人。そんな彼女を溺愛している養母(イェヌーファの父の後妻。放蕩者だった父はすでに他界)のコステルニチカ[教会のおばさん(聖具保管係)の意。人名ではなくチェコ語で役職を表す]はシュテヴァの行状に不安を抱く。
嫉妬に駆られたラツァは、イェヌーファとシュテヴァの関係をわざとからかいイェヌーファと口論になる。興奮したラツァはイェヌーファを無理やり抱こうとし、持っていたナイフで誤って彼女の顔を傷つける。
イェヌーファの妊娠を知った養母は、スキャンダルを避けるため彼女をかくまう。イェヌーファは出産し父親と同じくシュテヴァと名付ける。養母は彼女が薬で眠っている間にシュテヴァを呼び出し結婚するよう懇願するが、すでに村長の娘カロルカと婚約したと告げられる。
そこにイェヌーファとの結婚を望むラツァがやってくる。養母は全てを話すが、ラツァが出産を聞きショックを受けたのを見て赤ん坊は既に死んだと嘘をつく。ラツァを帰した後、吹雪のなか彼女は罪の意識に苛まれながらも、赤ん坊を凍った川へ沈める。家に戻った養母は、イェヌーファが熱を出し昏睡している間に子供は死んだと偽る。傷心の彼女を励ますラツァの一途な愛に初めて気づくイェヌーファ。
数ヵ月後、イェヌーファとラツァの結婚式の朝。凍りついた川の中から赤ん坊の死体が発見される…。