STORY
『こうもり』のお話
ファルケ博士は、とある仮装舞踏会の帰途、金持ちの銀行家で友人のアイゼンシュタインに酔ったまま道端に置き去りにされ、こうもりの扮装で眠りこけてしまった為、この不名誉なあだ名をつけられてしまいました。
今度はそのファルケ博士が仕返しにアイゼンシュタインに悪戯をしかけるという筋書きです。
アイゼンシュタイン邸では、女中のアデーレが一通の手紙を手に部屋に入って来て、妹イダから今夜のオルロフスキー公爵の舞踊会への招待状が来たけど、女中の身分では出かけるのもままならないと嘆いています。
一方アイゼンシュタインは、役人にたてついた罪で、今晩中に刑務所に入ることになってしまいました。そこへファルケ博士が登場し、アイゼンシュタインの妻ロザリンデが席を外したすきを狙って、「気晴しにオルロフスキー公の舞踊会に行かないか」とアイゼンシュタインを誘います。
ファルケの企みとも知らずにアイゼンシュタインはすっかり気をよくし、陽気になって二人は手を取り合って踊り出します。戻って来たロザリンデは夫が刑務所へ入るのに正装しているのを不審に思いながらも、昔の恋人アルフレードが忍び込んでいることを思いだし、病気の伯母の所へ行くのを理由に休暇を申し出ていたアデーレに休暇を与えるのでした。
オルロフスキー公爵邸の広間には、舞踊会に集まった人たちが華やかに登場します。
【今回はここで特別ゲストたちも加わります。】
ロザリンデの衣裳を借用したアデーレが、女優オルガという触れ込みでイダと共に参加し、アイゼンシュタインはフランス貴族ルナール侯爵としてオルロフスキー公爵に紹介されたかと思えば、ハンガリーの貴婦人として仮面をつけたロザリンデが麗々しく現れ、アイゼンシュタインは自分の妻とも知らず口説くことになるのです。
偽の肩書きで登場する人々のおかしなやりとりから一夜明けて、アイゼンシュタインは刑務所へ急ぎ、そこで明らかになったことは…。
人々が本来の自分に戻ったところで、ファルケによる種明かしがあり、すべて『こうもりの復讐』というお芝居だと打ち明ける。ロザリンデが“すべてシャンパンのせいね”と言い、皆もそれに和してすべてを水に流し、一同陽気に明るく華やかに幕を閉じます。